甲児くんとカイザーさんの365日
2/14『バレンタインデー』
毎年の恒例行事ではあるけども、できれば甲児くんにはサプライズ的にチョコを渡したいカイザーさん
でも1DKな二人の愛の巣では、隠し事をするのにも限度があって…
結局、甲児くんがぐっすり眠ってからキッチンでこそこそ作業することに
途中、カイザーさんが隣にいないせいで目が覚めた甲児くんが半覚醒状態でフラフラしながら「いいにおいがする~…」とキッチンまでやってきたり、そんな甲児くんを再び寝かしつけたりと、ちょっとしたハプニングに見舞われながらも、愛情込めたチョコが完成した
翌朝(というか数時間後)、朝ごはんを食べ終わる頃にハッピーバレンタインとチョコを手渡すと、感激した甲児くんが一生家宝にすると言って聞かなかったので、はいあーんで強引に食べさせた
昼休憩にお弁当を食べようと包みを開いた甲児くんは、かわいくラッピングされたチョコブラウニーと「デザートに食べてね」と書かれたメッセージカードを見つけた
その日の甲児くんは、周囲の人たちまで幸せな気分になるようなハッピーオーラを終始まき散らしていた
今日は甲児くんと擬人化カイザーちゃんたちのバレンタイン妄想だよ!
お好きな方だけどうぞだよ!
甲児くんとαカイザーちゃんのバレンタイン
最近、カイザーちゃんが熱心にお菓子作りの本を読んでいる
そういえばそろそろバレンタインだな~そうかそうか俺のために準備してくれてるのか~と浮かれまくりな甲児くん、カイザーちゃんに「カイザーの手作りチョコが食べられるなんて嬉しいよ」と言うと「えっ?」と返されて、えっ?となった
カイザーちゃん的には、まさか甲児さんがお料理なんてほとんどしたことがないわたしの、不安しかない手作りチョコを楽しみにしてくれてるなんて…という意味での、驚きと感激の「えっ?」だったんだけど、甲児くん的には、あなたのために作るなんて一言も言ってないんですけど何を勘違いしてるんですか?の「えっ?」だと捉えてしまって、アンジャッシュする二人
その日から甲児くんは、いやいやいやそんなまさかカイザーが俺以外の誰にチョコをあげるって言うんだそんな相手いないだろ…と思いつつも、いやでもまさかもしかしたら他に候補者がいるのかもしれないシローとかボスとか鉄也さんとか…と、いらぬ心配に胃を痛めるようになった(鉄也さんだったら立ち直れねぇ…と思う甲児くんだ)
一方カイザーちゃんは、甲児さんが期待してくれてる…!と思うと一層やる気が出て、真剣みに磨きがかかる
バレンタインが近付いてきたある日、試作品を作りたいカイザーちゃんが台所の使用許可と材料を買うためのお小遣いを申請してきたので、甲児くんは思い切って試食係に立候補するも、丁重に断られてしまった…
もし当日にチョコがもらえなくても、せめて一口でいいから食べたい…!と切に願う甲児くんと、甲児くんには完璧に仕上がった完成品を食べてほしいカイザーちゃんとで、またしてもすれ違う
綺麗に片付けられた台所の、ふんわり香るチョコの残り香の中で立ち竦んでるうちに、だんだん空しくなってくる甲児くん
の、元気のない背中が気にかかるカイザーちゃん
「何かあったんですか…?」と心配そうなカイザーちゃんに、お前のせいだとも言えず、痩せ我慢を貫き通す甲児くん
そしてバレンタイン当日、丁寧にラッピングされたカイザーちゃん渾身の手作りチョコを恥ずかしそうに手渡された甲児くんは、安心感からへなへなとその場にへたり込んで、しばらく放心状態になった
山のように積み重なった誤解に、そこで初めて気づいたカイザーちゃんがおろおろしながら何度も何度も謝ってくるので、落ち着かせるのが大変だった
甲児くんとOVAカイザーちゃんのバレンタイン
バレンタインが近付くにつれ、そわそわし始める二人…
度々カイザーちゃんから甘いものは好きかだの、ちょこれーとなる菓子は好きかだの、いろいろリサーチされる甲児くんは、それってつまり俺にバレンタインのチョコを用意してくれるってことだよな、とウキウキが止まらない
そして待ちに待ったバレンタイン当日…
「甲児くんなんて糖尿になっちゃえばいいのよ」というありがたいお言葉とともに、さやかさんから義理と書かれたクソデカいチョコケーキをもらう場面をじーっと眺めていたカイザーちゃんだったけど、そのまま何も言わずに部屋から出て行ってしまって、あれ?となる甲児くん
散々思わせぶりな態度をしておいて、もしかして何もくれないんだろうか…と落ち込んでいるところに、さやかさんより、プライベートスペースのキッチンに出入りしてるところを見掛けたから、てっきりあの子も何か作ってるんだと思ったけど、という情報が入る
それを聞いて閃くものがあった甲児くんは、さっそく研究所内のゴミ箱を一つずつ覗いて回る
…一時間後、こんなところにゴミ箱あったのか…と言いたくなるような奥まったところにひっそり設置されていたゴミ箱から、いかにもな紙袋を発見して、ひとまず自室へ持って帰った
利用する人がほとんどいないおかげで汚れていない袋の中身は、お世辞にも上手とは言えないけど手作りのあたたかみが感じられるチョコで、一つ食べてみると、カイザーちゃんの気持ちが伝わってきた
と、そこへ帰ってきたカイザーちゃんが、捨てたはずのチョコをなぜか食べてる甲児くんに猛烈に抗議し始め、取り上げようと必死になるものの身長差のせいでうまくいかず、腹立ちまぎれにみぞおちへ頭突きするくらいしかできない
いい一発をもらった甲児くんは転びそうになるのを堪えてカイザーちゃんをギュッと抱き締めると、男にはどんな高級チョコよりも好きな娘の気持ちがこもったチョコが一番おいしいんだということを言い聞かせ、カイザーちゃんを真っ赤にさせた
甲児くんとインフィニカイザーちゃんのバレンタイン
普段から休日には一緒におやつ作りをしている甲児くんとカイザーちゃん
今年のバレンタインはパパに手伝ってもらわずにチョコが作ってみたい!と張り切るカイザーちゃんに、甲児くんは多少の不安はありつつも、いい機会だから任せてみることに
火も包丁も使わない簡単なチョコチップカップケーキのレシピを探して、材料も揃えてやると、カイザーちゃん一人をキッチンに残して、甲児くんは別室で見守りモードを発動する
とはいえ、最初からうまくいくとは限らないし、何かあれば呼びに来るだろう…と考えていたが、予想に反して、五分経ってもお声がかからない
だんだんじっとしていられなくなってくる甲児くん、いやまだ五分しか経ってないし、慌てる時間じゃないだろう…と冷静に考える自分と、実は何かしらのトラブルが起きていて、だけど自分だけで解決しようとしているのでは…と焦る自分とが脳内で同居してて、三十秒間討論させてみた結果、たまらず見に行くことに
どうだ~うまくいってるか~とか言いながらキッチンに続く扉を開けてみると、引っ繰り返ったボウルと付近に散乱したホケミと、半泣きになりながらお掃除してるカイザーちゃんがいた
ごめんなさいパパ失敗しちゃった~、と泣き出しちゃったカイザーちゃんをまずは抱っこして宥めて、それから掃除と片付けをして、何をどうやったらそうなるのかはわからないけど全身ホケミまみれのカイザーちゃんをお風呂に入れてあげる甲児くん
まだべそべそ泣いてるカイザーちゃんを洗ってあげながら、日々成長しているのは喜ばしいことだけど、当分はこうしてお世話したいなぁ…と育児の喜びを嚙み締める
しょんぼりしてしまったカイザーちゃんに、いくら失敗したっていい、そういう時のためにパパがいるんだからな、と忘れずにフォローもした
甲児くんとF完カイザーちゃんのバレンタイン
甲児くんからの熱いチョコくれ圧に負けたカイザーちゃん、渋々といった体を取ってバレンタインチョコを用意してくれることに
できれば手作りがいいな~と要求してみるも「そんなのあたしが甲児くんのこと好きみたいじゃん!」と、さすがに拒否された
みたいも何も、好きなくせに…と声には出さずに心の中で反論してみる甲児くんだが、チョコをくれるってだけで嬉しくて、それ以上の贅沢は望まないことにした
そしてバレンタイン当日、指先に絆創膏を巻いたカイザーちゃんから差し出されたのはポッキーだった
既製品はともかくとして…ポッキーは予想外だったな…と、ほんのちょっと残念がる甲児くんだったけど、礼を言って受け取ろうと手を出しかけた矢先、カイザーちゃんが箱を開け始めて???となる
そのまま一本取り出すカイザーちゃんに、自分で食べる用だった…??と一瞬思いかけるが、チョコがかかってない方を咥えたカイザーちゃんが「…ん」と目を閉じたので、うおおおおおお!!!とテンションが爆上がりした
これってつまりそういうことだよな!!!と、いきなり半分ほどまで食べたら「急すぎる!」と逃げられた…
それからも、何かと理由をつけては逃げるカイザーちゃんだったけど、ポッキーの量が半分まで減ったところでようやく覚悟が決まったらしく、チュッとできた
思ったより恥ずかしいなこれ…と今さら思う甲児くんだったが、ほっぺを真っ赤にしてぷるぷる震えてるカイザーちゃんがかわいすぎて、ポッキーがなくなってもチュッチュし続けたし、カイザーちゃんもさせてくれた
何度目かのキスの合間に、ぽつりと「…手作りチョコは来年まで待って」と囁かれ、甲児くんはカイザーちゃんの人差し指の絆創膏を、痛くしないよう優しくそっと撫でた
…舌入れようとしたら怒られた
すっかり出来上がってる糖分過多な二人もいいけど、今回は付き合ってるのか付き合ってないのか微妙な距離感の両片想いな二人を目指してみた…つもり!
そういう時期の無意識なイチャつきからしか得られない栄養がある…