お嬢さま至上主義

とあるポンコツギャルゲーマーの日常です

今はただ波の中で 昇るはずの朝日を待とう

甲児くんとカイザーさんの365日

6/7『髭』

 

おはようを言うには遅い気もするけど、でもお昼ごはんにするには早い気もする微妙な時間に起きてきた甲児くんが、顔を洗いに洗面所に行ったので後をついていくカイザーさん

タオルで顔をふきふきする甲児くんの横顔を、じーっと覗き込む

甲児くんはチラチラとカイザーさんを気にしつつも、ちょっと伸びてる髭を剃ろうとシェービングクリームに手を伸ばして…「あ」という小さな呟きに、ピタッと静止する

隣で屈んでたカイザーさんがわたわたしながら立ち上がったと思うと、甲児くんのほっぺたを両手でムニュっと挟んできた

(…?…何事だ…??)と固まってる甲児くんは、なすがままほっぺたをムニュムニュされたかと思いきや、今度は顎をなでなでされる

触られるのは別に嫌じゃないので逃げたりはしないけど、意味が知りたい甲児くんに、カイザーさんは「…あのね、昨夜一緒に見たドラマでね、カノジョさんがカレシさんのおひげがチクチクする~っていうの、してたでしょ?あれ、ちょっといいなぁって思って…でもわたし、そういうのやっぱりわかんないや…」と残念そうに溜め息をつくので、なんだか切なくなった甲児くんはカイザーさんをギューギュー抱き締めていっぱい頬ずりした

 

 

 

みずいろ⑧

雪希エンド

 

※ネタバレあり

 

 

 

マイ妹の雪希ちゃんを攻略完了!

 

うん…

うん…

結構よかったわよ!

 

 

二人の女の子の善意によって成り立っていた幼なじみとの三角関係っていう不安定な土台に甘え切っていた主人公の情けなさと、裏切りという名の英断によって脆くも崩れ去るかと思われた友情が一人の女の子の自己犠牲精神のおかげで持ち直った奇跡とのコントラストを目の当たりにして…ちょびっと感動しちゃった…

安易に「妹」という強大な属性を主軸に置いて話作りをしなかったところも、個人的にはポイント高い

 

 

自分のルートよりいい仕事してるだろう、こっちの日和お姉ちゃん

失恋しても強く生きていくヒロイン好きのわたしには、むっちゃ刺さった

 

雪希ちゃんの抜け駆け行動についてはね、これはもう歴史的なスケールで語られるべきアクションではないかと思うわけですよ

局所的なものの見方をすれば、彼女は単に日和ちゃんとの平和協定を破った悪い子だ

あの時あの場所での先制攻撃をしなかった場合、昨日と変わらない明日という幻が三人組の未来にはあったはず

たとえそれが、いつボロボロと崩落するかわからないような足場だったとしても、不変を夢見るくらいはできたはずなんだ

でも、雪希ちゃんは行動に出た

彼女に現在を変えようという強いエネルギーがあったとは思わない、変わりゆく現実への不安と焦燥に突き動かされた、思考を伴わない本能の発露だったのかもしれない

その結果、彼女は想い人と結ばれた…

もしも、ここで主人公が妹と恋仲になることを拒んでいたとしたら、雪希ちゃんは卑怯者のレッテルを貼られて、最悪その後の主人公と日和ちゃんの人生に関われなかった可能性もある

つまり彼女が勝者となったことで、日和ちゃんに対する裏切り行為が肯定的に描写されることとなったのではないか、と思うわけだ

これはもう歴史上の偉人たちにおける栄光と失墜、光と闇の構図を感じる…!

歴史のターニングポイントで行動を起こした偉人たちも、彼女と同じように相反する宿命を背負っていたのではないだろうか??

勝てば官軍となり、負ければ賊軍となる…歴史は常に勝者が作る…

雪希ちゃんが戦っていたのは、そういう戦場だったのよ…!

 

…うん、なんか、無理があるね

まあでも、こんなわけわかんない文章を書こうと思えるだけの熱意を、雪希ルートで感じた証拠ということで一つ…

 

他のルート同様、別にこれといって大きな騒動が起こるわけではない雪希ルート

義理とはいえ妹と男女の関係になることを誰かに責められるわけでもなく、ただ淡々と雪希ちゃんが裏切り、日和ちゃんが恋破れて、そしてみんなが大人になっていくという、日常の延長線上にある物語だった

それでも確かに雪希ちゃんはわたしの「妹」だった

これからも二人で仲良く生きていくんやぞ、時々は日和ちゃんも混ぜてあげるんやぞ

 

後はおまけシナリオを全部読んだら、コンプリートできるな

この勢いで終わらせるぜ!