甲児くんとカイザーさんの365日
7/8『付き合うことになった話』
珍しく甲児くんの方からお昼に誘ってくれて、ウキウキでB定食を頼んださやかさんは「年内には父親になろうと思ってる」との発言に、危うくお味噌汁のお椀を落とすところだった
「…そう」から「おめでとう…で、いいのかしら」までにかかった時間は約五分で、居心地悪そうに愛妻弁当をつついてる甲児くんを見てると、なんとなく昔話がしたくなった
「知ってる?わたしって、カイザーと大喧嘩したことあるのよ」から始まる、二人が付き合う前後の話
出会って一ヶ月もしないうちに、誰がどう見ても両片想いな雰囲気になった二人だけども、なかなかどうして煮え切らないまま月日が流れていく
ようやく告白する!と決心した甲児くんは、Zに「あいつ絶対甲児くんのこと好きやから!間違いなく成功するから!」との応援に背中を押され、思い切って好きだ、恋人になってくれ、と真正面からぶつかっていくも、なんとカイザーさんの答えは「考えさせてほしい」だった
100%うまくいくと思っていた周囲も大変に動揺し、内気で気弱なカイザーさんには面と向かっての告白を断る勇気が持てなかったから、考えさせてくれ=遠回しな「ごめんなさい」ではないか、との推測に打ちひしがれる甲児くん…
これにはたまらず妹を問い詰めるお兄ちゃんだったけど、返ってきた答えは「だって甲児くんには、さやかさんがいるから…」という、斜め上をいくものだった
たまたま通り掛かって聞き耳を立てていたさやかさんは、我慢できずに兄妹の前に飛び出すと、その勢いのままカイザーさんを思いっきりビンタした!
超合金ニューZαがビンタごときでどうにかなるはずもなく、むしろさやかさんの手を痛めることになったけど、頭に血が上ってて痛みなんて感じる暇もなく、馬鹿にするのも大概にしろ、情けをかけられて喜ぶものか、勘違いも甚だしい、不愉快だ、と一方的に罵倒した
「まあ喧嘩っていうか、わたしばっかり怒ってたんだけど」と懐かしみながら、何もリアクションしない甲児くんに向き直ると、驚きすぎて言葉もない様子
刺激の強い話だったかしら…と思うさやかさんに、恐る恐る甲児くんが「え…ていうか、さやかさんって俺のこと…?」と濁しながら訊いてきた
これにはさやかさんも開いた口が塞がらなくなってしまったが、吹っ切れたように笑うと「昔の話よ、もう終わった話!」と言い切って、まだ呆然としてる甲児くんを横目にお皿を空にした
食器を返却口に返しながら、あれだけ露骨にモーションかけてたつもりなのに、まったく相手にされていなかったことを知って、わたしは最初からカイザーと同じ土俵にも立ててなかったってことなのね、と溜め息をついたさやかさん
さすがにパパになった甲児くんを略奪するのは、カイザーはともかく生まれてくる子どもに悪いわね…と、長すぎた片想いに終止符を打つ決意をした
BLUE⑤
春、水帆エンド
※ネタバレあり
BLUE的ヒロイン二大巨頭をまとめて攻略!
イェイ!

春ルートはよかった
ワイ的エロゲー良シナリオランキングの上位に食い込むってほどではなかったけど、カレー屋さんで頼んだカレーがワイ好みのルーどろどろ具がゴロゴロだった時くらいの、良さはあった
恋人に夢を託すというのも、落としどころとしては悪くないと思う
春ちゃんをサポートする形でなら、主人公もバスケという競技には関わっていけるわけだし
夕方に来てくれ、待ってるから、と言ってた水帆ちゃんをガン無視してたことだけ、ちょっと気になったけど
問題は水帆ルートよ…

し、知らんがな…
自分の人生のことくらい、自分で何とかしてよ…
と思うのは、わたしが冷血人間だからなのだろうか??
これでまだ「あんたがあの時無責任に焚き付けたせいで逃げるに逃げられなくなり結果的に辛い思いを沢山したのに、元凶のあんたが早々に夢を追う戦いからリタイアしてのんべんだらりと暮らしているのが許せなかった」と罵倒されるなら理解もできたんだが、彼女の言いたいことが終始わからなくて感情移入できんかった…
ていうか、マジで何が水帆ちゃんにとってそんなに問題なのかがわからなかったんだけど…
過去の出来事についても語られていたけどさ、そもそも美術部の友人と仲を拗らせるより前から、両親の影響力については理解していたんだよね??
それなのに、どうしてコンクールに絵を出すことにしたの??
そもそも、どうしてコンクールの結果が両親の名声ありきのものだってわかったの??
そんな不正みたいにも取れる裏事情を、誰が彼女の友人に語ったの??
水帆ちゃんは将来的にプロの画家になるつもりはないんだよね??
てことは、絵は趣味として続けていければそれでいいんだよね??
だったら対外的には「絵なんて描いてません、興味ないです」ってことにして、こっそり描いてりゃいいのでは??
高名な芸術一家の娘がそれではまずいというなら、そもそもプロの画家にならないという選択そのものがまずいのでは??
絵は描きたい、でも両親のことには触れてほしくない、でも審査はしてほしい、不特定多数の人に見てもらいたい、認められたい…ってのは、ちょっとワガママが過ぎるような…
上記の一文(特に最後の方)は完全にわたしの主観であり妄想なんだけど、水帆ちゃんの絵が雑誌の表紙を飾っていたり、コンクールの一件だったりから、そんな風に思えてならないのよね…それともこれは悪意ありきの穿った見方なんだろうか
注目を浴びたくないって言う割には、何でそういう自ら露出していくスタイルなんだろう、って…
それとも、そういう家の方針か何かなのかな
そんな話は一切なかったけど、わざわざ優秀な遺伝子を掛け合わせてるような家柄だから、水帆ちゃんの意思は無視されるのかもしれない…だったら、そう明言しといてよ、っていう

彼女の話しぶりもまずい
思わせぶりな態度を取って、そのくせ肝心なことは言わないで、古傷を抉るような発言ばかりしていたら、そりゃ春ちゃんじゃなくても引っ叩きたくもなるよ…
なんで先に主人公にだけでも過去の一件のことを話して、その上で「諦めるな」と訴えなかったんだろう
こういうところに彼女の友達付き合いの不器用さというか、人間関係構築の下手さ、不慣れさが出ていると思った
これを意図的に書いてるなら、結構すごいかも
なんというか、結構無理があるシナリオだなぁ…と思った
あと、主人公(と春ちゃん)は未だにこれだけバスケに未練があって怪我のことも引きずってるのに、よく鈴子ちゃんに「怪我してくれてよかったと思った」(ちゃんと意味のある発言だけど)と言われて、ブチギレなかったな…と不思議に思った
埋まってたのは地雷どころじゃないのでは??