甲児くんとカイザーさんの365日
7/28『ずるい子』
この頃は落ち着いていたと思ったんだけど、またカイザーさんがぐずり出した
座り込んでめそめそ泣いてるカイザーさんの膝の上に乗っかった甲児くんが、カイザーさんの頭が胸の位置に来るよう調節して、ぎゅっと包み込むように抱いて撫でてやっているうちに、ちょっとずつしゃくり上げる頻度が減ってくる
「今日はどうしたんだ?」「何がそんなに辛いんだ?」と優しく話しかけていると、じわじわ回復してきたカイザーさんがぽつりと「…わたし、こんな自分が嫌だよぅ…」と呟く
こうやって泣いていれば甲児くんが構ってくれるのを知っている、甲児くんの気を惹くために泣いている自分はずるい子で嫌になる、と嗚咽の合間に教えてくれて、甲児くんは思わず「バカだなぁ」と言いながら、ぽんぽんと背中を軽く叩いてやった
「何でそんなことで落ち込むんだよ。それってつまり、それだけお前が俺を好きだってことだろ?もっと胸を張ってもいいことじゃねぇか。好きなだけ甘えてくれ、お前にはその権利があるんだから」と静かに語りかける甲児くんにしがみついて、カイザーさんは気が済むまでぐすぐす泣いた
…その後、甲児くんが作ってくれたハチミツ入りのホットミルクを飲みながら、「…わたし、強い子になれるかな?」と小声で尋ねてみたら、「なれるよ。十年かかろうが、二十年かかろうが、お前ならなれる」と頭を撫でてくれたので、自分のことは信じられないけど、甲児くんの言うことなら信じられると思うカイザーさんだった
追加ルート攻略中
※ネタバレあり
有夏両ルート読了、貴理ルートの終盤まで進めた
主人公には現時点で貴理ちゃんか有夏ちゃんとくっつく未来、もしくは、どっちともくっつけない未来があるわけだけど、その裏でいろんな人間模様が展開されていたんだなぁ…ということがわかってきた
貴理ちゃんと有夏ちゃんの百合カップルが成立したり、冬子さんと英輝が大人の関係になったり、あるいは英輝と有夏ちゃんで何かある可能性…なんてものも、どこかにはあるんだろうか
まさにタイトル通り、この夏は「僕」と「僕ら」のものだったわけだ
寝取っただの寝取られただの、そういう次元の話ではないんだな、と身をもってわからされた感じがするわ
「僕」と「僕ら」の関係が緩やかに拗れ、捻れて、一つの終着点に向かって変化していく…そういう現実の儚さと取り返しのつかなさを目の当たりにしてしまうと、色恋も一つの人生の縮図だってことがはっきりしてくるね
それだけが全てじゃないにしろ…ね

冬子さんも冬子さんで密かに暗躍してみたり、

かと思えば、素顔をチラ見せしてくれたり
一筋縄じゃいかない人だとは思っていたけど、こりゃ冬子さん視点で語られる裏ルートが俄然楽しみになってきたなぁ

いよいよ、主人公と貴理ちゃんが小さい頃に一緒に埋めたものの正体が判明しそうだしね!
でも、確かに今さら過去の思い出を掘り返したからって、何になるんだろう、って気はする
物品の正体が知りたいのも、単なるプレイヤーの好奇心以上の何ものでもないしなぁ
主人公と貴理ちゃんは未来に向かって進んでいかなくちゃいけないわけで、だったらそこまで過去に縛られる理由もないっちゃないもんね
このままひっそりとダムの底に沈んでいく方が、終わり方としては美しいような気がしなくもない
…あ、でも表ルートで埋めたものの話が最後まで出なかったってことは、冬子さんも英輝も仮に何か見つかったとして、それを主人公たちには知らせなかった、ってことになるのかな
だったら、主人公視点だと思い出を水の底に沈めたのも同義なわけだから、それはそれでいいのか
二人の記憶は、あくまで傍観者であるプレイヤーと、部外者である冬子さんだけが知る…それはそれで芸術点高いね