甲児くんとカイザーさんの365日
10/10『兄と妹』
今日は月に一度の兄妹水入らずの日
平日昼間の空いているファミレスの隅っこで、ニコニコしっ放しの妹に「何やええことあったんか?」と尋ねると、すかさず「えへへ~聞いてよお兄ちゃん~」と、上機嫌な声が返ってくる
「あのねあのね、甲児くんがね」と妹が嬉しそうに話す内容は、事前に甲児くんから聞いていた通りのもので、すなわち子どもを作る覚悟が定まったというものだった
「よかったやん。しっかし、結構待たされたもんやなぁ。前にそない言い出してから、もうかれこれ二ヶ月くらいは経ったんちゃうか?」「それは仕方ないよぉ。甲児くんだって、いろいろわたしたちの将来のこと、真剣に悩んでくれたんだから」「まあ、そうかもしれんが…ワイかて散々焦らされたんやから、文句の一つも言いたくなるっちゅーもんやろ」「だったら、わたしが窓口になるよ。甲児くんに、焦らなくていいから、ゆっくり考えて、ってお願いしてたの、わたしなんだもん。急いで結論出して、後から後悔してほしくなかったし…」
手慰みにストローの袋をリボン結びしていた妹の調子が、だんだんおかしくないっていく
すっかりトーンダウンしてしまった声で、ぼそっと呟かれたのは「…わたし、甲児くんに嘘ついちゃった」という、意外な告白だった
「えぇ、お前が?珍しなぁ、仲睦まじいお二人さんの間にゃ嘘や隠し事はないと思とったわ」と、あんまり深刻にならないよう軽薄に返答するけど、効果はそれほど現れず、しょぼくれたカイザーさんが「…焦らないで、急がなくていい、って言いながら、わたし、ほんとは一分でも一秒でも早く、決断してほしかった…悩むってことは、わたしと子ども作るの、嫌だって思う気持ちもあるのかな、って…怖くて…でも、もしはっきり肯定されたらって思うと、どうしていいかわからなくて…聞けなくて…わたし、甲児くんのこと、ずっと騙してたんだよ…」と、次第に涙声になっていく
そんな妹の頭を優しく撫でながら「それは嘘や騙しとは言わん、気遣いっちゅーんや。お前が甲児くんのためを思うてしたことを、誰に責められんねん。後悔してほしくない、思うたんもほんまのことやろ?ほな、ほれでええんやないか。…ほんでも、これからはちゃんと不安や恐怖は言葉にして伝えていくんやで。二人の子どもにも関わることやったら、なおさらや。甲児くんやったら、お前の弱音を全部受け止めてくれる。ワイが保証したる」と、至らない部分を諭した
カイザーさんがポロポロ泣きながら何度も頷いたのを確認してから、紅茶とオレンジジュースのおかわりを淹れてきてあげようとドリンクバーにカップを二つ持っていった
桜華⑨
ソルネルート第三章まで
※ネタバレあり
うぅーむ…


思っていた以上に興味深いテーマだぞ、物神は
ひととの寿命の格差というのは、割とどんな人外ヒロインにも関わってくる問題だけど、書く(描く)人ごとにいろんな答えがあって面白いのよね
大体は人間より長寿だけど、恐ろしく短命なヒロインも中にはいたりして、生きていく時の流れが異なる二人が愛し合い、残される者に対してどのような絆の形を結んでいくのか…
これはわたしにとっても避けられないテーマの一つでね…一応の答えには辿り着いているけど、それでも「ほぉ~そんな考え方もあるのか!」と新しい発見をもらえるから、人外ヒロインはやめられないのじゃ…
いいよね、純愛だよね…
わたしは今ここに宣言するわ
一人でも多くの人外ヒロイン(と、そのパートナー)が、失う辛さを乗り越えて、幸せになれるように祈り続ける、と…!
人外ラブ同盟さぁ…いいよね、発足しても!
…でも人の性癖は星の数ほどあるからして、既にあるんだろうな、この同盟…
僭越ながら、末席に加えさせていただきますね…ちょっと後ろを失礼しますよ…
ちなみに、人外ヒロインのジャンルってどのくらいあるんだろう??
無機物(ロボとか人形とか)、妖しのもの(妖怪とか幽霊とか)、異種族(天使とかエルフとか)、四つ足(ケモレベルは問わず)、神性めいたもの(精霊とか妖精とか)、実体のないもの(バーチャルとか空想上の存在とか)…
他にも何かあるのかなぁ??
こんな人外が好き!というラブトークで盛り上がるのも楽しそうやねぇ…
相手がいないけど…
主人公とソルネちゃんが導き出す二人だけの結論…楽しみにさせてもらいまっせ!