甲児くんとカイザーさんの365日
10/16『ライバル』
前回は取り急ぎ検査だけしてもらったので、改めて弓教授に時間を取ってもらい、出産までの流れや私生活で気を付けることなどなど、夫婦で話を聞いた
その後、どうしても先延ばしにできない仕事があるとバタバタと職場へ戻っていった甲児くんを見送って、お兄ちゃんとごはんでも食べようかな…とぶらついていたカイザーさんの前に、さやかさんが現れる
いろいろと言いたそうなさやかさんと一緒に、ちょっと早めのランチへ
開口一番「お父さまから聞いたわ、おめでとう」と言ってくれたさやかさんと、「十月十日なんて、きっとあっという間でしょうね」「うん、そうかも…でも、今はとにかく待ち遠しいかな…」と、それなりに和やかに会話する
一方のさやかさんも、一応は吹っ切ったつもりなので、昔ほどイライラしたり泣きたくなったりしないけど、どうしても聞きたいことがあって、なるべく何気ない調子で問いかけた
「あのね…もしも、の話なんだけど…もしも、わたしとあなたが同じように甲児くんのことが好きで、それで、甲児くんがあなたじゃなくてわたしを選んだとして…わたしのこと、わたしたちの子どものこと…あなたは好きになれる?」
カイザーさんはほんの少しだけ考える素振りを見せた後、「なれると思う」と、淀みなく答えた
それには思わず「どうして?どうやって?」と、身を乗り出して尋ねるさやかさん
尋ねてから、今のは失言だったかも…と焦りを覚えるも、カイザーさんはわかっているのかいないのか、そこには触れなかった
カイザーさんは俯いて、まだ半分ほど残っているお皿の上のオムライスを見つめながら、「だって…さやかさんも、二人の子どもも、甲児くんにとっては大切で、大好きな人なんでしょ?だったら、わたしも…同じように大切に思いたいし、好きになりたい。なかなかうまくいかないかもしれないけど…すごくすごく悲しくて、寂しいかもしれないけど…それでもやっぱり、そうなれるように努力したい」と、ぽつりぽつりと話してくれた
それを聞いて、あ、それでいいのね、と思ったさやかさん
今までずっと自分とカイザーさんとの関係は自分だけの問題だと思っていたけど、そういう風に間に甲児くんを挟んだっていいのか…と、今さら気付いた
恋敵としてのカイザーさんを好きになるのは難しくても、甲児くんの好きな人としてのカイザーさんを好きになるのは、そんなに難しくないかもしれない…と思い始めたさやかさんは、大事なことを気付かせてくれたお礼にと、デザートにケーキセットを奢った
桜華⑬
紗雪ルート最終章途中
※ネタバレあり
クライマックス真っ最中という、なんとも中途半端なタイミングで感想を書くことになってしまった…
いっそエンディングを迎えるまで待った方がよかっただろうか…
まあ、(どうでも)いいか…
そんな紗雪ルートの焦点としては、感情を持ってしまったばかりに異界の管理に不都合が生じた紗雪ちゃんの処遇をどうするか、といったところ
ぬくもりを知った紗雪ちゃんが、ぬくもりを失うことを恐怖し始めた結果、その心に反応した異界には嵐が吹き荒れ、しかも現世と異界との間に歪みが出始めた
このままでは現世も異界もめちゃくちゃになっちゃうので、紗雪ちゃんに恐怖を克服してもらうか、せっかく芽生えた感情を封印するかの二者択一が迫られたわけだが…

主人公一家の出した結論が、これ
現世も異界も知ったこっちゃねー、俺たち家族は感情を持った紗雪と生きていきたいんじゃ、だから紗雪…世界は滅亡するかもしれないけど、お前もう番人やめろ
…なるほど、そう来たか
こいつら揃いも揃って頭おかしいんだが????????????
主人公一人が暴走して出した結論ならともかくとして、家族会議を開いた結果、満場一致でこうなるってヤバくない???
テロリスト一家かよ、これ守人に知れたらお家断絶もやむなしやぞ、一族郎党ごっそり処刑的な意味で
いやね、お話としては好きよ
愛する女の子と世界を天秤にかけた時、女の子の方に傾くのは人情としてわからない話ではないし、純愛しか勝たん勢としては応援もしたくなるわよ
でも、やってることは国家への反逆どころの騒ぎじゃないからね??
俺の好きな女の子が感情を失わないために(命じゃなくて感情なところもポイント高い)、お前ら全員死んでくれよな、って言ってるんやで??
一応、悪いことをしている自覚はあるらしく、世界中から恨まれたって構わん!とか言ってるけど、だからって…ねえ…??
しかも、家族も止めない、それどころか、いいぞもっとやれ状態
こいつら的には、結果的に感情を手に入れたままの紗雪ちゃんと一緒に世界の滅亡を迎えたとしても、それはそれでオールオッケー!らしいんだけど、それって感情をなくした紗雪ちゃんと離れ離れのまま生きていくってのと、関係性が無に帰すって意味では、さして変わらないと思うんだけど…生き残りを目指すならともかく、死に別れるか生き別れるかの違いに、そこまでこだわれるパッションが理解できない…
さすがに、この件に守人の長である聖奈さんを関わらせるのはまずい、という最低限の判断力だけはライターさんに残っていたようだけど、それでもひどい、これはあまりにもひどい
世界を滅ぼす純愛の先に待っているのは、どんなにウルトラCの着地を決めたところで、精々がメリバなんだ
剥き出しのエゴに付き合わされた人たちにハッピーエンドは未来永劫訪れないんだ
こういった気狂いの所業を、さもいい話風に書かれているので、もはや何も頭に入ってこない
紗雪ちゃんが自分の意思で番人を続ける、世界を守っていく、と手のひらクルーしたのも、主人公一家のクソヤベー選択にドン引きした結果に思えてくる…
ほっといたら自分と世界ごと心中しようとしてくるからね…
控えめに言ってもキチガイの集団です…
ていうか、異界の危機に真雪ちゃんのような番人が生み出されてくるというのなら、そのまま番人の世代交代をすることも可能なのでは…??
紗雪ちゃんが、ワイ番人やめるので後継を探せ、さもなくば引き継ぎなしでいきなりバックレる、とでも言えば、異界の秩序を保ちたい勢(元々、紗雪ちゃんを番人を選んだ連中がいるはず)が後は何とかするのでは…??
今回みたいな事故も起きかねんわけだしさぁ…
生きものをベースにしている以上、経年劣化は避けられないじゃんね…
そして、ここは俺が食い止めるからお前は先に行け、のお涙ちょうだい展開がしたいためだけに、無能オブ無能にされる真雪ちゃんに悲しい現在…

そりゃオタクですもの、こういう胸熱イベントは大好物ですとも
…で、異変を鎮める役目の真雪ちゃんは、一体何してんの…??
夜明けまで結論を待つ、と言ったからって、何もボーっと待ってる必要はないのよ??
街中に歪みが発生してるなら塞いで回っていいし、妖怪が出てきたなら異界へ帰して回っていいのよ??
それが真雪ちゃんの仕事でしょ??
クソデカ歪みをずっとほったらかしにしてる理由もわからない…
とりあえずそれは閉じてから、他の話を進めても一向に不都合はないのでは??
書きたいシーンのために、いろんな部分が歪まされていく…
こういうのばっかやな!