甲児くんとカイザーさんの365日
10/30『お菓子作り』
玄関を開けた瞬間に、甲児くんをとってもスイートな香りが包み込んだ
発生源であるキッチンスペースを覗き込むと、エプロン姿で出迎えてくれたカイザーさんが「明日はハロウィンでしょ?今年も地域の子ども会でイベントやるって言ってたから、配るお菓子の試作をしてたんだよ~」と香りの正体を明かしてくれた
それから「味見してほしいなぁ」と二種類の手作りお菓子を差し出してきたので、仕事終わりで小腹が空いていた甲児くんは喜んで引き受けた
ココアパウダーを練り込んだ黒猫さんクッキーと、肉球マークのついたカボチャとサツマイモの一口パイは、どちらも大変に美味だった
明日の分は当日の昼間に作るとのことで、試食用に作られたお菓子は全部が甲児くんの胃袋に収まったけど、それでもまだ甘いにおいが辺りに漂っている
犬のようにクンクンと鼻を鳴らした甲児くんが突き止めた甘いにおいの源はカイザーさん自身で、そう指摘すると「お菓子作ってたから、においが移ったのかも」と、自分でも手首のにおいをチェックしながら回答した
夕飯も後は温めるだけ、というところまで準備が済んでいるといい、お鍋を火にかけようとするカイザーさんの後ろから抱きついた甲児くんは、エプロンの裾をめくりながら「ここにもまだお菓子が残ってるみたいだな、だってこんなにいいにおいがする」と首筋をペロリと舐めた
どぎまぎしつつも、むしろ自ら誘うようにかわいくお尻を振るカイザーさんが「わ、わたしのことも食べちゃうの…?」と聞いてきたので、もちろん、と答える代わりに手のひらを大胆に動かし始める甲児くんだった
桜華㉓
総評
※ネタバレあり
血の繫がりなんかなくても、わたしたちは家族になれる――
霊木が起こす奇跡に引き寄せられた、元は他人だった男女が一まとめの家族になるハートフルファミリーストーリーのような…そうでもないような…
まあ、そんな感じの「桜華」をコンプリートしたので、今日は総合的な感想を書いていこうと思う
ま~、とにもかくにも長かった、びっくりするほど長かった
そして、どのルートも微妙すぎた…
いやまあ、共通も個別も丁寧に作ろうとした意識は見て取れなくもないし、そのせいで文章量がやたらと多くなってるのかなって気はしなくもないし、超大作になるべき下地はあったのかもしれないしなかったのかもしれないし…
でも、これまでの感想記事で書いてきたように、個人的には「あれってどうなったの?」「それってそういう意味じゃなくない?」「何言ってんだこいつ…」などなど、引っ掛かる部分があまりにも多すぎて、シナリオに没入もキャラに感情移入もできないまま、ひたすら日本語を読むだけの作業だったので、ことさらに長く感じたのかもしれない
これがめちゃんこ面白くて燃えて萌えて泣けて抜けるエロゲーだったなら、そこまで気にならなかっただろう文字数なんだろうけどねぇ
とにかく、ご都合主義のオンパレード
ただ、そこは気にならなかった
ハッピーエンドに至るためなら多少は因果を捻じ曲げてもヨシ!がモットーの、ハピエン大好き人間なもので、愛するヒロインの笑顔を守れるなら悲しい運命(笑)なんか根元からバキッとへし折ったっていいんだと思うし
でも、明らかにおかしい描写はノーだよ!
書きたいシーンを先に作っておいて、後から設定の細かい部分を調節していったらよかったのに…と思うくらいには、おかしな点がてんこ盛りだったように思う
長周りとか、霊木周りとか、守人周りとか、禍風周りとか…
行き当たりばったりで書いてるって言われても信じちゃうくらいだよ…
ところどころに光るものがなかったわけでもないし、日常パートは比較的楽しく読めたので、下手に泣かせようとしたり感動させようとしない方がよかったんじゃないのかな~
そんなことを言い出したら、この「桜華」という作品を根底から全否定してしまうことに繋がるのかもしれんけど
CGも…うーん
桜華編は全体的によかったのに、闇使い編は全体的に微妙すぎた…
どうも絵師さんが違うようだけど、主人公がまるで別人かのようにゴリラ化していたし、ヒロインの絵も…正直…
美奈ちゃんはもっとかわいく描いてあげてほしかった…
音楽は標準以上
特にEDの切ないメロディラインと、中原涼さんの物悲しくも根っこの部分に力強さを感じる歌声とが奇跡的なコラボレーションとなっていて、バッドエンドに似合うことこの上なかった
非対応OSだからかどうかはわからないけど、ちょくちょくBGMの冒頭10秒間ぐらいが延々ループされるバグが発生して、一度ゲームを再起動しないと直らないってのがあった
エロは桜華編のヒロインであるソルネ、夏輝、紗雪、あやが3ずつ、闇使い編のヒロインである静名、刃菊、美奈は1ずつ
…なんで格差があるんだよ!
静姉と身も心も結ばれたラブラブエッチがないのは、全国の静姉ファンを敵に回すと思ったよ…
(そこまで熱烈なファンがいるのかどうかは知らん)
これといって特筆するところのない、一応は純愛に属するだろうエッチ
純愛しか勝たん勢としては、もうちょいゲロ甘でもよかったわよ
文章は稚拙ではあったものの、その分、読みやすさに特化していたとも言えるかな
…と思ったけど、その割に誤字脱字はちらほら散見されたので、そこで引っ掛かってすらすら読めたとは言えない…
単調かつ平坦な語り口だから、盛り上がりにも欠けたしね…
個別ルートに入ってからの謎の選択肢が必要だったのかどうかも、議論の俎上に載せたいところ
ライターさん及び登場キャラとの思想の方向性が一致していれば感動できるかもしれないけど、まあまあ人は選ぶんじゃないか…そういう作品だった
躓く人はプロローグですぐ躓くと思う、そしてそこで躓いたら、この先ずっと躓き続けることを覚悟しながら読み進めるか、自分とは縁のない作品だったと思ってすっぱり切る方がいいかもしれない
以上!