甲児くんとカイザーさんの365日
12/17『ぬいぐるみ吸い』
午前十時過ぎ、妹の手伝いにやってきたZは、その妹が床にぺったり伏しているところを発見して、すわ何事かと慌てたものの、よくよく観察してみれば、いろんなぬいぐるみに顔を埋めて何やらしているらしいことが判明して、とりあえず一大事ではないらしいと安心した
昼食の材料にと買ってきた食材を冷蔵庫に片付けながら「…何しとん?」と尋ねてみると、のろのろと顔を上げたカイザーさんが「あのね…ちょっと元気がなくて…」と返してくる
ははーん、あの日か、とピンときたZの言うところの「あの日」とは、そういえばしばらく見ていない、カイザーさんのメンタル不調の日
兄である自分はずっと傍にいるわけでないし、夫である甲児くんなら今でもちょくちょく目にしているのかもしれないけど…と思ったけれど、本人いわく、こんなにも気分が凹むのはしばらくぶりとのこと
それで、そのぬいぐるみは何なのか、と一つ摘んでみると、いつぞやクレーンゲームで甲児くんに取ってもらったと嬉しそうに見せてくれたことのある、クマのぬいぐるみ
またぬいぐるみの山に顔を埋めたカイザーさんが「昨夜から、なんとなくこうなりそうな予感がしてたから…甲児くんに頼んで、ぬいぐるみに甲児くん成分をチャージしておいてもらったの…だから、今はそれを摂取してるとこ…」と、深呼吸の合間に言う
…よくわからなかったので詳しく聞けば、甲児くんがぎゅーっと抱っこしていたぬいぐるみには甲児くんのぬくもりやにおいが移るため、その名残を感じていると精神的に落ち着くのだとか
「ほれで気が済むんやったら、好きなだけほうしとき。ほなワイは洗濯から始めよかな」と脱衣所に向かうZの背中に、「ありがと~…」とヘロヘロしたお礼の言葉がかけられた
フローラリアプラス⑧
詩乃エンド~御文ルート攻略中・4/21
※ネタバレあり
セックスプレデター詩乃さんとの恋愛は、思ったよりも普通で、思ったよりも柔らかな着地を見たわ
もっと愛憎劇…とは言わんけど、どろどろしたものを内に秘めた愛欲の宴みたいなものが展開されると思っていたのに…

バッサリ切り捨てられ時には、どうなってしまうんだとハラハラしたんだけどね
主人公の諦めない心が、最後には詩乃さんという美しい大輪の花を咲かせたのさ…
~HappyEnd~
…でも、ネバギバマインドって、どこからどこまでが美談なんだろうか??
「好きです」と告白する、「わたしはあなたをそういう対象としては見ていません」と返事される
つまり玉砕する
でも諦めないぞ、何度だって好きって気持ちを伝えるんだ、そうすればきっと振り向いてもらえる…!
…ってなるか、普通??
一度断られたぐらいじゃ諦めないぞ、負けないぞ、って姿勢は大切なのかもしれないけど、相手がガチで自分に興味がなかったり、これっぽっちも恋愛感情を抱いてなかったりする場合、かえって迷惑になるとか、下手すると嫌われてしまうとか、そうでなくても何かしらのハラスメントに該当するかもしれないとか、そういうことを考えてしまわんか??
明らかに濁された、話題をすり替えられた、そんなことより…とスルーされたとかならともかく、はっきりきっぱりNOを突き付けられた時に、果たして諦めないマインドがどこまで人として許されるのだろうか
RPGの勇者が他人の家にずかずか押し入り、その辺の壺を割ったりタンスを開けたりして中のアイテムや金品を強奪するのと一緒で、フィクションだから許されている悪行の一種なのだろうか
主人公の好意が教師側へと移った時、学生側のヒロインは敗北を悟って自ら身を退くような言動を見せるけど、一般的な感覚の持ち主ならそうならないだろうか??
この点において、別にヒロインの根性がないとか、あっさりしすぎとか、そんな風には思わないな
むしろ主人公の方が、ちょっと異常者だって思えてくるかもしれない…
英雄とは一度も負けなかった者を指す、とあるから、この主人公の行動も後世では教科書に載るような偉業として扱われるのかもしれない…
でもそれって、戦争では百人殺せば英雄だけどそれって勝った陣営だから言えるってのと一緒で、恋心を成就させられたから褒められるだけのことじゃないのかな
これで詩乃さんに手酷くフラれ続けたなら、主人公のやってることは単なるストーカーと変わらないんじゃないのかな…
なんて思ってしまう自分ですが、こんなんでも一途な子は男女問わず好きでぇす!
口を開く前と後に純愛バンザイとつけろ~

さて、お次は園芸部のかわいい後輩、御文ちゃんとのラブストーリーね
これノーマルエンドでのやり取りなんだけど、このやさしいせかい、すき