甲児くんとカイザーさんの365日
12/30『来年もよろしくね』
お昼前にアパートを出たカイザーさんの片手は甲児くんと繋がれ、もう片手にはお手製の伊達巻が収められたカバンがあった
カイザーさんの作る伊達巻は優しい甘さが特徴で、身内からだけでなく、知り合いの評価も軒並み高い
今年もたくさん作ったので、年末のご挨拶がてら、お裾分けに行くのだ
行きつけの喫茶店は、今日で年内の営業は終わり
昼食にナポリタンとオムライスを食べながら、マスター夫婦とのんびり談笑
料理のプロの方に食べていただくのは恐縮だというカイザーさんに、マスター夫婦は朗らかに笑って伊達巻を受け取ってくれた
レジの脇には、以前にカイザーさんがプレゼントした招き猫の編みぐるみが、小さな座布団の上にちょこんと座っている
喫茶店を出る際に、手土産にマドレーヌを買って、その足で大家のおばあちゃん宅へ
大掃除を手伝い、年内最後のアフタヌーンティー(マドレーヌ付き)を楽しんでから、伊達巻を進呈
お返しにと、昆布巻をもらった!
自宅に帰りつくと、隣の家に明かりが灯っているのが見えて、そのままお隣さんへも突撃する
奥さん、旦那さん、赤ちゃんと一家総出で迎えてくれて、奥さんの「上がっていってください」の言葉に甘えて、少しだけ…とお茶をご馳走になる
よかったら…と伊達巻を差し出すと、とても喜んでくれた
遅くなる前にお暇し、すぐ隣の自宅のドアを開けようとして…鍵が開いていることに首を傾げる
鍵のかけ忘れ?いやいやカイザーさんに限って、そんな…と、甲児くんが先に立って、用心しながら部屋を覗き込むと…
「も~どこ行っとったんや、待ちくたびれたで~」「おかえり、二人とも」と、合鍵で先に入っていたらしいZとシローくんの声が飛んできた
一足早い年越しパーティーの約束は、開始時刻を早めて実現されそうだ
この一年…短いようで長かったような、長いようで短かったような一年…
いろいろあったといえばあったし、なかったといえばなかったし…そんな一年を振り返ってみると、大体エロゲーとGジェネエターナルばっかやってたんだけどもね、その裏ではずーっとカイザーさんに萌えていた
来年には、いよいよ三年目に突入ですよ
飽き性だって自分でもわかってるから、どこかで区切りがつく日が来るだろう…なんて冷めた予想もしていたのに、全然そんな気配がないどころか、ますます精力的に妄想する毎日ですよ
はよエターナルとコラボして♡♡
甲児くんとカイザーさんのイチャラブ365日妄想計画も、絶対に途中で頓挫するに違いない…と思っていたんだけどねぇ
まさか完走できるとはねぇ…感無量だねぇ…
そんなわけで調子に乗ったわたしは、来年からはさらにパワーアップした妄想を迸らせようと企んだわけだ
そうです、イチャラブ妄想計画第二弾を始めようと思います!!!
だってなんぼでも妄想できるんですもん…妄想したら吐き出さんと脳がパンクしそうになるんですもん…
ここはわたくしお嬢さまの吐き出し部屋すなわち私有地ですわよ、いつから無害な公共スペースだと勘違いしていらっしゃいましたの??
てなわけで、来年以降もガンガン書き捨てていこうと思っていますのでね、お覚悟をなさってくださいね
なお、どの辺がパワーアップするのかというと、二人の愛の結晶…子どもが増えるよぉ~
以下、本格的に始動する前のウォーミングアップとして、勝手に妄想しまくっている設定をつらつら書き連ねていくよ!
石は投げないでほしいよ!
それでは、太平洋よりも広い心を持つ寛大なお嬢さまのみ、これより先へお進みくださいまし…
基礎的な話
甲児くん
一家の大黒柱
待望の第一子が産まれてから二年後に、めでたく第二子にも恵まれ、家族の生活を支えるべく精力的に仕事に励んでいる
休日は奥さんの家事を手伝い、子どもと全力で遊んでくれる、良き父親をやっている
同居人も増えて賑やかな日常が過ごせるのは嬉しいけど、まだ二十代ということもあって、若干性欲を持て余し気味ではある
相変わらずカイザーさんが大好きすぎる
カイザーさん
専業主婦にして、妊婦さん
出産予定日は今年の六月である
「主婦である自分の戦場は家の中」をモットーに、各種家事には手を抜かないし妥協もしない
子育てが一段落した後、兄の勧めでブログを開設してみた
家のことが最優先なので更新頻度はそれほど高くない(三日に一回ぐらい)だけど、料理のレシピから掃除のテクニックまで暮らしの雑学がギュギュっと詰まったブログは着実にファンを増やしつつあり、ぼちぼち収益も上がってきている
相変わらず甲児くんが大好きすぎる
瑠璃ちゃん
甲児くんとカイザーさんの娘ちゃん
現在、三歳
ちょっぴりおませなところもある、明るく元気な女の子
両親と同居人からたくさんの愛情を注がれ、すくすく育っている
カイザーさんに「るぅちゃん」と呼ばれる影響で、自分のことを「るぅ」と呼ぶ
シローくん
兄夫婦に子どもができたら同居する、の約束通り、引っ越してきた
高校生になりました~
学校ではお兄ちゃんの影響でロボット同好会に所属している
同好会メンバーにとって甲児くんとカイザーさんは憧れの的であるらしく、甲児くんはまんざらでもなさそうだけど、カイザーさんはとっても恥ずかしそう
子育てを援助するという名目で兜家に入り浸った結果、ほぼ同居の状態になっている
二人の子どもである瑠璃ちゃんを目に入れても痛くないほどかわいがっており、瑠璃ちゃんにも懐かれている
日中は光子力研究所の食堂で皿洗いのバイト(週三)をしている他、毎週日曜は夫婦の行きつけの喫茶店でマスター見習の勉強をさせてもらっている
甲児くんとカイザーさん
「パパとママになっても、今と変わらず仲のいい恋人みたいな夫婦でいよう」という誓いは、今なお現役で守られている
そんな二人は相変わらずお互いが大好き…何だったら、昔よりラブラブなぐらいだけど、さすがに二人暮らしをしていた頃のように家でイチャイチャするわけにもいかない
なので一肌脱ぐことにしたZとシローくん
瑠璃ちゃんが一歳の誕生日を迎えた頃に、週に一度は「夫婦の日」として二人きりの時間を過ごせるように取り計らうこととなった
もちろん瑠璃ちゃんを最優先に考えて、何かあれば飛んで帰ってこられるような心づもりでいるけど、兄弟の厚意に甘えて、毎週数時間だけ二人きりの時間を楽しんでいる
甲児くんとカイザーさんと瑠璃ちゃん
ある晩、瑠璃ちゃんを寝かしつけながら、「瑠璃はママのことどう思う?」と聞いてみた甲児くん
あらかじめカイザーさんと話し合っていたことなんだけど、瑠璃ちゃんが大きくなってきたら一度確認しておきたかったのだ
「ままのこと?」と聞き返してくる瑠璃ちゃんに、ママがお友達のママたちとは違うことを瑠璃ちゃんがどう思ってるのか、慎重に聞き出していく甲児くん
カイザーさんは緊張しながら、瑠璃ちゃんを挟んで反対側に寝転んでいる
言葉を選びながらの質問はどうにももどかしく、とうとう我慢できなくなったカイザーさんが「るぅちゃんはね、普通のママの方がよかったかな?」と核心に迫ってしまった
どうやらママが「普通のママじゃない」ことを問題にしていると子どもながらに気付いた瑠璃ちゃんは、「まま…るぅのままやめちゃうの?」と泣き出してしまった
慌てて慰めるカイザーさんにしがみつきながら、「ままやめちゃやだ、るぅのままはままじゃなきゃやだ」と大泣きする瑠璃ちゃんに、もらい泣きしたカイザーさんもわんわん泣き始める
二人まとめて抱き締め、泣き止むまで頭を撫でてやる甲児くんは、瑠璃ちゃんの答えに一安心しつつも、今はまだ無邪気だからいいけど、年頃になってきたら考え方も変わってくるかもしれない…瑠璃がいつまでも優しく素直な子でいられるように、見守っていかないと…と、カイザーさんの旦那として、瑠璃ちゃんの父親として、気持ちを引き締めた
甲児くんとZ
甲児くんとカイザーさんの間に隠し事は何もなく、心配事があってもきちんと相談し合える環境が出来上がっている
…でも、さすがにカイザーさん自身に関することを本人に相談するわけにはいかないので、そういう時はZに頼る
親身になって話を聞いてくれるだけじゃなく、的確なアドバイスをくれるZに、甲児くんはいつも感心してしまう
と同時に、もしかすると自分よりもカイザーさんのことをよくわかってるんじゃないかと思うと、ちょっと妬ける
そんな甲児くんの嫉妬心をも見抜いて、「ま、何だかんだいうても兄妹やからな、あいつのことは手に取るようにわかるわ」とカラカラ笑うZだった
甲児くんとシローくん
シローくんがバイクの免許を取ったら、自分のバイクを譲るという約束をしていた甲児くん
でも、いざそうなってみると、本当にお古のバイクでいいんだろうか…という気持ちになってくる
もしかして経済的な理由から遠慮してるんじゃないのかと邪推し、二人でバイクいじりをする傍ら、それとなく聞いてみたら、「そんなんじゃないよ。そんなんじゃなくて、これがいいんだ」と、シローくんは眩しげに目を細めてバイクのハンドルを撫でた
気恥ずかしいらしく、あまり多くは語ってくれなかったけど、要するに「兄貴は俺の憧れだった」ということらしいので、甲児くんもすっきりした気持ちで長年の相棒とお別れできた
カイザーさんとZ
瑠璃ちゃんがお昼寝している間、キッチンで料理の特訓をするZと、横について監督するカイザーさん
甲児くんとカイザーさんには結婚当初から行きつけの喫茶店があって、いずれは後を継ぎたいと思ってはいるけど、少なくとも定年までは今の仕事を続けたい甲児くんと、マスター夫婦の年齢とを考慮すると、どうしても数十年の空白期間ができてしまう
そこで名乗りを上げたのが、自称引退して暇人のZだった
「甲児くんが働きよる間は、ワイが喫茶店を守ったる」とのことだったけど…どうして急にそんなことを言い出したのかと、カイザーさんは尋ねてみた
リンゴの皮むきをしていたZは、だいぶボコボコになったリンゴをまな板に置いて一息つくと、「お前と甲児くん見よったら、後世に何かを遺すっちゅーんも悪くないと思てな…ワイに何が遺せるかはわからんけど、そのための練習みたいなもんや」と言い、「ま、老後の楽しみができたってやつや!」と笑った
兄の思いやりに、カイザーさんはこっそり泣いた
カイザーさんとシローくん
高校生になって、ますます物事の道理ってやつがわかってくると、さすがにいつまでも兄嫁を名前で呼び捨てにするわけにはいかんだろう…と思い始めたシローくん
肝心の兄とお嫁さんは「別に、そんなの気にしねぇけど…」「だよねぇ…」と、ぽわぽわした返事を返してくるけど、あくまで気持ち的な問題として、どうにかしたいシローくん
「シローくんの好きに呼んでくれていいよ」とご本人からお許しを得たため、かねてよりあたためていた案を、思い切って口にしてみた
「じゃあ…姉さん、で」と言われて、思わず胸がキューンとするカイザーさんと、(姉さん…なんかいいな…)と新しい扉を開きかける甲児くんだった
瑠璃ちゃんとZ
ある日、唐突に「ねーねー、ぜっとってなんなの?」と言い出した瑠璃ちゃん
「瑠璃ちゃん、ほの年でそないに哲学的な問いが出てくるとは…この娘は将来有望やでぇ…」と感動しているZをよそに、「どういうことかな?」と聞くカイザーさん
瑠璃ちゃんは「あのね、ぱぱはるぅのぱぱでしょ、ままはるぅのままでしょ、にぃにはぱぱのおとーとで、ぜっとはままのにぃにで…じゃあ、るぅは?るぅとぜっとは?」と、自分でもよくわかっていないような疑問を、一生懸命に伝えてくれる
ピンときたカイザーさんが「えーとね、その場合、お兄ちゃんはるぅちゃんのおじさんになるんだよ」と教えてあげると、ポンと手を叩いた瑠璃ちゃんが「おじ…おじじ!」と言ったから、その日はおじじ記念日となった
「その呼び方でいいの…?」「瑠璃ちゃんが…瑠璃ちゃんがワイをおじじと愛称で呼んでくれたんや…!いいに決まっとるやろ…!(嬉し泣き)」ということで、以降、瑠璃ちゃんはZをおじじと呼んでいる
瑠璃ちゃんとシローくん
ちょっぴりお酒の入った甲児くんが、「いつか瑠璃も大きくなって、パパのお嫁さんになる~とか言う日が来るのかぁ」と感慨深そうに瑠璃ちゃんを見つめると、瑠璃ちゃんは大きく首を振って「るぅ、ぱぱのおよめさんにはならないよ」とバッサリ切り捨てた
一気に酔いの醒めた甲児くんが何でと問うと、「だって、ぱぱのおよめさんはままでしょ。けっこんはひとりのひととしかできないんだよ。ぱぱ、うわきするの?」と純粋な目で見つめ返され、「浮気なんかするか!俺はママ一筋だ!」と宣言する
それを聞いて、にぱっと笑った瑠璃ちゃんが「だからね、るぅはにぃにとけっこんするのー」と、シローくんに抱きついた
「いや~まいったな~」と嬉しそうなシローくんに、ぐぬぬ…となる甲児くんだった
Zとシローくん
週一の「夫婦の日」に、仲良く手を繋いで遊びに行く甲児くんとカイザーさんの後ろ姿を見送りながら、「ほんま、いつまで経っても新婚みたいにアチアチやのぅ…」「仲がいいのはいいことだろ」と言い合う
一緒に玄関まで来ていた瑠璃ちゃんが「るぅもね、ぱぱとままがなかよししてるのすきー。ぱぱもままも、とってもにこにこしてるからー」と笑いながら二人を見上げるので、互いに目を見合わせ、瑠璃ちゃんのためにも甲児くんとカイザーさんにはいつまでもイチャついていてもらわないといけないという暗黙の了解を深めたのだった
他にも、瑠璃ちゃんが産まれる前に保健所から引き取ってきた兄弟犬の虎徹くんと大我くんがいたり、Zは普段リビングで寝起きしていて布団は部屋の隅に畳んでおいてあり、それを瑠璃ちゃんがお昼寝の時に使ってるとか、そのうちまたしても小さな家族が増えるとか、いろいろネタはあるのにうまくまとめられないなぁチクショウめ~!
そんなこんなで、来年も突っ走るぞ!
目指せ二周目完走!