彼女は高空に祈らない⑥
~一周目・美琴エンド
※ネタバレあり
他人の気持ちがわからなければ、生きていてはいけないのか??
→んなこたぁない、むしろ他人の気持ちが一から百まで理解できる人間なんて存在しない説
というアホでも知ってそうな話を、当の本人だけがクソ真面目に悩んでいたというだけの話だった
でもね、思ったのよ
「そんな当たり前のことでそこまで思い詰めるほど悩むなんて、わたしには想像できない」と思った時点で、わたしは美琴ちゃんの気持ちを理解できない側の人間に成り下がってしまったのだろう、って
ほらね、やっぱり人と人とが何から何まで理解し合うことなんて無理なんだわ
それでも社会は回っている
誰しもが何食わぬ顔で日々を送っている
それはなぜなのか
わたしが思うに、この問題において世の中は二種類の人間に大別できるのではないか
相手の気持ちを「わかった気になっている人間」と「わかったフリができる人間」だ
割合としては、まあ…3:7ぐらいかな??
前者のようなタイプが多いと面倒くさいことこの上ないけれど、後者のタイプならば周囲と当たり障りのない関係を構築することも難しくないと思うんだよね
そして美琴ちゃんは後者だと思う
彼女は自分には感情がない、それゆえ他人の感情の機微にも疎いとずっと自分を責めていたようだが、それを主人公に感じさせないほどには「普通の人間」を演じられていたのだからね
でも、それで当たり前、それこそが普通なんだよなぁ
相手がいま何を感じているかなんて、想像さえできればそれで十分なの
そうすればその場に相応しい行動を取ることができて、集団から爪弾きにされることはないんだから
そしてわたしたちは日々の営みの中で心の動きに対する知識を蓄えている
それは自分の経験からだったり、書物からの受け売りだったりと、形はいろいろだったとしても、ともかく直面した事態が人の感情にどういう作用を及ぼすかを知っている
美琴ちゃんは自分には感情がないと思い込んでいたから、経験値という意味では他の人より劣っていたかもしれないけど、その分、彼女は読書家だから知識だけは人一倍持っていたと思うんだ
だから普通の人らしく振る舞うことができていたんだろう
そういえば、覚という妖怪がいるよね
人の心を読み取る…相手が何を考えているか全てわかってしまうような存在は、昔から忌み嫌われてきたからこそ、妖怪というカテゴリに加えられてしまったんじゃないだろうか
そして否応なしに相手のことを100%理解できてしまったとしたら…人としては生きていけなくなるのかもしれない、人を辞めたくなってしまうのかもしれない
それだけ他人を知るということは怖いことなんだろうな~、とか思った
主人公は「相手のことを知らないから優しくできる」って繰り返し言っていたけど、実際その通りだと思う
正確に知らないから、勝手に作り上げた理想像でもって他人を定義する
こうあってほしいと望む姿、自分にとって都合のいい姿をした相手でないと、付き合っていく価値を見出せない
人間社会ってのは、わたしたちが他人のことを真に理解できないから成立してるあやふやなもんなのだ
つまり、だ
美琴ちゃんは何ら自分を恥じることはないんだ、みんな同じ境遇で生きているんだからね~ってこと!
それに美琴ちゃんはちゃんと感情を持ってると思うよ、そうじゃないと「みんなと違う自分」に対して悲しんだり苦しんだりしない
ましてや誰かを好きになる気持ちを手に入れたくて、恋愛小説をたくさん読んだりしない
ただアウトプットが下手なだけの不器用な女の子よ
…ところで、一つ聞いていい??
自分の娘にこんなクソエロい格好をさせようと考えついたのは、やっぱりパパなのか??
何考えてんだ、あの汚れ神主は…
次はウズメルートへ…と思ったけど、その前に美琴ルートをもう一周してスキル回収と見逃したイベントがないかチェックしないと
美琴ちゃんのCGが一枚埋まってないんだよね…
9/9の河原町イベントは見たんだけどなぁ、おかしいなぁ
他のルートで埋まる可能性もあるから、まだ慌てる時間じゃないかもしれないが