秋のうららの⑥
鮎エンド
※ネタバレあり
むかーしむかし、あるところに、ひとりのこいするおひめさまがいました
おひめさまはちいさいころからずっといっしょだったおとこのことがすきなのですが、なかなかきもちをつたえるけっしんがつきません
そうこうしているうちにつきひはながれ、おとこのこにかわいらしいふたりのいもうとができました
おひめさまは「まけてなるものか」とゆうきをだして、おのれをふるいたたせ、おとこのこにアピールをくりかえします
やがて、おひめさまのどりょくがみのって、ふたりはむすばれることとなりました
こころからあいするおとこのこに「すきだ」といわれて、はじめておんなのこはほんもののおひめさまになれたのでした
以上!
これぞ茜町に伝わる(大嘘)お伽話「恋するお姫さま」よ!
女の子はみんな、子どもの頃に一度は憧れるんだぜー!
…とか何とかフカシをこいてみたくなるくらい、メルヘンチックなシナリオだったぜ…
まさか、物静かな親友も密かに鮎ちゃんに想いを寄せていて、最後には彼女を賭けて決闘することになるとは思わなんだ…
こういうのって今はあんまりウケが良くないんだよね~確か
女の子はモノじゃないとか何とか、そりゃその通りだとは思うけどさ
野生動物なんかだと、一匹のメスを巡って複数のオスが争うなんてことは日常茶飯事じゃん??
理性の生き物であるところの人間サマは、もうそんなことしなくなって久しいけどさ、逆を言えばよ、そうまでしても求めずにはいられないほどの女性ってことになるんじゃね??
それってすんげー名誉じゃね??
百種類の美辞麗句を並べるよりも、よほど雄弁に女性の魅力を表す行為だと思うんだが…そういう感性がもう既に時代遅れの古くさいものなんだろうか
この一言を主人公から引き出すために、鮎ちゃんが影に日向に行ってきた数々の涙ぐましい努力を思うと…おじちゃん、目から汗が出てきちゃう…
よかったね、鮎ちゃん
幸せになるんだよ、鮎ちゃん
鮎ちゃんが言っていた「心から愛している男の人に好きと言われて、女の子は本当のお嬢さまになる」という台詞は、お嬢さまをお姫さまに置き換えてみるとピンとくるんじゃないかと思うんだよね
ということは、やっぱりこのストーリーも多分に童話チックな空気を孕んでいると見た
「秋のうららの」は、下町を舞台に語られる、夢と希望に満ち溢れた現代の御伽草子だった…??
…では、ちまりちゃんのシナリオとは一体何だったのか…??
(結局ここに行き着く)