メイドさんと大きな剣⑨
零那エンド~棗ルート・11日目
※ネタバレあり
人間の手によって生み出され、人間と同じ容姿を与えられながら、決して人間にはなれない悲しき存在…それが人型アンドロイド
彼女たちは己に課せられた運命と役割を知ってなお、届かぬモノに憧れ、手を伸ばすのだ
そう、それはヒトというかたち
いくら望んだところで、容易に掴み取ることはできない…あるいは永遠に叶わない願いなのかもしれない
それでも諦めきれずに、無駄な足掻きだとわかりながらも手を伸ばし続けたその時に、彼女たちはヒトへと生まれ変わるのだよワトソンくん
というわけで、零那ルートは…いやぁ、いいもの見せてもらったわ
エロゲーの個別ルートとしては短い部類に入ると言い切れるレベルのテキスト量だったけど、小粒ながらもしっかりとまとまっていて、笑いあり涙ありの良シナリオだった
製作者サイドの環家は本当に零那ちゃんのことをただのビスクドールとしか見ていなくて、ただ単に七番目に生まれた娘だから"Ⅶ"と名付けただけなんだろうけど、それが解釈次第ではいくらでも素敵な意味合いに取れるというのは、環家へのいい皮肉になってると思って感心しちゃったわ~
タロットには詳しくないけど、数字の7は昔からラッキーセブンと言われているってことぐらいは知ってるからね!
いくらビスクドールが完全な科学の産物ではなく、錬金術の要素も組み込まれているとはいえ、この先も零那ちゃんが人間になるのは不可能ではあると思う
(魔剣とかある世界観だから、絶対とは言い切れないのかもしれないけど)
けれど限りなくヒトに近い思考回路…もしくは心と呼ばれるシステムは、もう既に手に入れてるんじゃないかと思ったよ
それはもう90%くらいの確率でヒトって言っちゃってもいいんじゃないか!
エピローグの二人のやり取りも、どこかちょっと洋画チックな雰囲気があってオシャレだったよね
ほれ、強くなると誓った主人公が、どうして徒手空拳を選んだのか~の辺り
あれから零那ちゃんが映画鑑賞に目覚めて、二人仲良くいろんな名作を観てきたのか…なーんて妄想も膨らんじゃうね!
途中、ちょっと…いや、だいぶ辛い展開もあって、そこの問題が宙ぶらりんのまま終わってしまったのが、気になると言えば気になるけど
でもなぁ、環家にもうビスクドール作るのはやめよう、って言うのは難しそうだしなぁ
妹だ、家族だとまで称した後継機ちゃんたちを蹴散らしまくってたのは…うん、まあ、仕方ないよな、主人を取り巻く脅威を排除するのがメイドの務めだもんな
続いては棗ちゃんを攻略するぜ!
やっぱりというか何というか、いいとこのお嬢さまだったのか~
主人公が言っていたように、実家は和菓子屋さんとかの方が、わたしとしてはしっくりきたかも