お嬢さま至上主義

とあるポンコツギャルゲーマーの日常です

息が詰まりそう 届いた指は 確かにあなたを感じる

魔法はあめいろ?⑨

ひよこエンド

 

※ネタバレあり

 

 

 

薄目で俯瞰して見た場合、

・「寄合」が主人公に教員免許を取得するように指示した理由

・ひよちゃんが能力を手に入れたがっていた理由

・ひよちゃんだけが使える「魔法」

などなど、冒頭から提示されていた諸々の謎や不思議がスッキリ解明される、まったくもって本編らしい内容の良シナリオだったと言っても過言ではないと思う

 

ただね、どうしてもね、気になる部分があったのよ

「薄目」で「俯瞰」という条件を付けなければ、手放しで褒められなくなるくらいに、気になる部分がね

 

 

いや、そんなことある!?!?!?

 

主人公が持つ能力は「効果範囲内のぬるいという概念が当てはまるものを強制的にぬるくする」という、クッソしょうもないくせに死ぬほど厄介なシロモノなのね

つまり、寒い日に熱々のラーメンを食べて温まることもできなければ、暑い日にキンキンに冷えたビールで一杯…なんていうことも、夢のまた夢なわけ

飲み会に行けばぬる燗しか楽しめない、熱いお茶も冷たいジュースも彼の世界には存在しない…

そんな地獄のような日常の中にいて、自分の能力をどうにかしてコントロールしたいという欲求が湧かないなんて、そんなことある!?

 

まあ、かなちゃんにも同じことが言えなくもないかもだけど…

少なくとも十数年にわたって勝手に発動する能力に悩まされてきたっていう描写はされてるんだから、その長い歴史の中で、現状を打破しようと動いたことが一度もないというのは…ちょっと理解しがたいな…

主人公には中二病を患った時期とかないんだろうか…俺の右手が光って唸って大騒ぎしたり、闇の波動を放出しかねん左腕を鎮めたりとか、そういう妄想には縁のなかった人種なのかね??

 

少なくとも、この学園に来てからはたまちゃんという自由自在に能力のオンオフができる存在を知ったわけで、そこから「もしかしたら自分の同じようにできる可能性がある??」という発想に至らないはずがない…と思うんだけど

そこだけがどうしても引っ掛かって、ついついこんな長文を書いてしまったわ

 

 

んでも、ひよちゃんが能力に拘っていた理由が「たまちゃんかなちゃんと同じ苦労を背負うことによって、もっと二人のことを理解したい、二人に近付きたい」っていう、ひよちゃんが抱えてる友情と寂しさの大きさを表したようなものだったってのは…グッときたなぁ

ひよちゃんが本当に二人のことを大好きなんだって、そして二人もひよちゃんのことが大好きだって伝わってきてね…いかんな、歳を取ると涙もろくなってくるわ

能力者じゃないのに能力者と仲良くできる、そんなひよちゃんの人間性を魔法になぞらえてオチをつけたのも、ベタだけどグッドね

 

「寄合」が作る能力者の子ども向けの学園には普通の子も通えるらしいけど、そこでは能力の存在を隠さずに生活できるってことなんだろうか

それは「寄合」における、普通の人には能力のことは内緒っていう暗黙の了解に反しそうだけど…その辺はあまり語られなかったな

まあ、ここは突っ込み始めたらどこまでも深掘りしてしまいそうなネタだから、あまり触れないのが賢いのかもしれない…